合気道などの武道での体使いの一つとして体軸があります。

合気道の上達に不可欠な「体軸」とは

体軸とはどのようなものかというと、通常は体軸を感じることはできません。

体軸は体軸を感じる稽古をして、はじめて感じられるようになりました。

一度体軸を感じるコツをつかめると、あとは自分で体軸の質を上げていくと合気道も上達しました。

つまり合気道の達人に、ちょっとだけ近づくことができたように思えます。錯覚?

体軸がわかるようになると、自分の力を効率よく相手に伝えられるようになるので、少ない力で相手を崩せるようになります。

また突きや蹴りの威力も増したり、質が変化しました。

体軸を感じるための構えと稽古法

体軸はどうしたら感じられるかというと、構えに秘密が隠されていることがあります。

構えを作った人は、何も考えないで構えを作るわけではないからです。

しかし構えにもいくつかの意味が含まれていますが、相手の攻撃を防ぎやすい、攻撃しやすいという事ではありません。

あくまで自分の精神と肉体が安定するための構え行う必要がありました。

相手を軸とした構えか自分を軸とした構えの違いです。

つまり格闘技的ではなく、武道、武術的な構えと呼べるかもしれません。

その意味が含まれた構えを正しく行うと、体の中に軸が形成されたのです。

この体軸が形成されていることに気が付けるか気が付けないかで、上達や質の差が生まれてました。

体軸の正体は重心?

体軸とは何かというと、いろんな意見があると思いますが、 今のところ私は重心だと思います。

姿勢という方もおられるかもしれませんが、稽古をしていくとどんな姿勢でも軸を保つことができるようになるので、姿勢は体軸を会得するための一つの入り口と感じます。

体軸を会得すると姿勢は関係なくなることから、あくまで姿勢は軸を形成するためのきっかけでしかないという考えです。

その上の段階などでは意識も関係してきますが、基本や初心の段階は重心とするのががわかりやすいです。

構えが体をつなげ、安定させる

体がつながるという表現をする方もいますが、構えを教える時に数センチ単位で手や足や姿勢の位置をずらして整えると重心が変化します。

そうすると体が一体化して、安定したり、強くなります。

強くなるというか、効率よく力を伝えらえるので、楽に相手を崩せます。

やはり、体をつなげるのにも初めは重心が大切という見解です。

脱力と構えが体軸を生み出す理由

構えをとることにより重心が安定して、体軸が生まれます。

この時に、空手の型の競技のように力んでは体軸が消えるので、決して力んではいけません。

力みは武道とは対極の力、素人が行う動作や意識なので、消していく必要があります。

競技空手の型のように声を張り上げたり、力むのは、見た目には安定しているように見えますが真逆です。

実はものすごく不安定で押せばすぐよろけてしまう状態です。

ちなみに現代空手と沖縄空手とは全く別のものです。

現代空手の型は、見栄えを重視していますが、沖縄空手は見栄えより、鍛錬して質を高める稽古をしているからです。

話がそれましたが、力みとは真逆、脱力をすることで軸が生まれてきます。

この時に構えが物差しや道しるべとなり、体軸を形成してくれるのです。

その物差しがくるっていたり、間違えた道しるべでは、正解にはたどり着けないので、師事する先生選びも非常に大切になります。

体軸は誰でも習得できる

ちなみに、体軸を覚えるのはものすごく簡単です。

その場で誰でもできるようになります。

なぜかというと、私は体軸はどうすると形成されるか理解しているからです。

良い先生に出会い教えてもらったという事が大きな第一歩でした。

そして体軸の感覚を体でつかんだ後に、その後に体軸とは何か、人に言葉で説明できて、人に教えたらできるところまで理解を深めたからです。

なので体軸を理解している人に教えてもらえれば、すぐに身につけられる感覚です。

ほとんどの人は、稽古で試行錯誤しながら会得したか、先生に教わってできるようになり、感覚でできて終わりですが、それでは勿体ないです。

武道とは青少年育成や日本の文化、伝統の一つであるので、継承していくことが大切だと思います。

自分だけできるようになり、後世には伝えないというのは、おとなしい表現でいえば違和感が残ります。

私は機会があるときには、出会った方々に実証して説明をしてきています。

先ほども言いましたが、体軸を教えるのはとても簡単です。

なぜなら、普段やっていることの真逆をしてもらえばよいだけだからです。

説明してやってもらうと、あ、いつもの逆ね、この感覚なのかという風に、すぐ理解してもらえます。

少ない力で技が決まる、その違和感

できるようになるのは簡単なのですが、体軸を会得した後に、技をかけても、いつもの半分以下の少ない力で技が成功するために、やってる感がなく、実感がわかないのです。

少ない力で技がかかることを求めているのに、いざ実現してしまうと、理解できない信じられない、違和感が沸き起こるのです。

でも、実際に力を使う感覚が変化して、力みが消えた状態で力が出せるというのは、慣れてくればわかってくるので、初めは理解できなくても問題ありません。

あとから頭が付いてくるからです。

頭でっかちより、まず出来るようになって後から理解度が増していったほうが技の切れも増すからです。

体軸とは重心であり、構えであるという事です。