合気道をやっていて、ふとこう思ったことはありませんか?

  • 稽古してるのに、なんで上手くならないんだろう?
  • 形は覚えたけど、ぜんぜん技がかかる気がしない
  • 師範に言われたとおりやってるのに、なんか違う気がする

合気道が上達しないのはなぜか

もしかしたら、あなたの努力不足でないかもしれません。

じつは、習っている先生の教えられる内容の深さが関係しているのかもしれないからです。

合気道の先生って、どの道場も同じに見えるかもしれないけれど、実は教えられる範囲に段階があります。

そして、その段階によって、あなたの成長の限界も決まってしまうこともあります。

次の章では、その先生の腕前の段階について、解説します。

合気道の先生にはランクがある

合気道を習っていると、つい「先生=みんなすごい人」と思ている方が多いですが違います。

でも実際のところ、合気道の先生にも上手い下手など段階があります。

これは段位の話ではなく、その先生がどこまで会得していて、どこまで教えられるかという質の話です。

たとえば、 技や形だけを教えられる先生 → 技の順番や動きの流れを教えてくれる。

でも、崩し方や力の伝え方などの合気道の本質は知らないから、教えてもらえない。

身体操作まで伝えられる先生 → 軸や重心、脱力、姿勢の使い方まで指導できる。

でも、体使いで終わってしまい、その先を教えてもらえない。

意識使いまで導ける先生 → 気配、起り、間合い、意識のぶつかりや一体化など、言語化しづらい部分まで扱える。

言葉で教えるのではなく、体験させてくれる。

この3段階です。

どの先生も「合気道を教えている」ことには変わりありませんが、その深さには大きな差があるのが実情です。

そして、どの段階の先生につくかで、あなたがどこまで伸びるかも決まってしまうということです。

だからこそ、「先生の段階を見極める」という視点を持つことは、かなり本質的な大事なことです。

これは上から目線で誰かを評価するという話ではありません。

自分の目的と、先生の教えの深さが合っているかどうかを見つめ直してみよう、という話です。

逆を言えば、合気道の指導者全員が意識操作の段階まで会得していれば、こんな話はしなくて済みます。

技や形だけを教える先生の限界

まず一番多いのが、「技」や「形」だけを教える先生です。

たとえば「一教とはこう」「入り身投げはこうやって動く」「ここで転換、ここで崩す」いうように、決まった手順を繰り返し教えてくれる先生。

初心者のうちは非常にありがたい存在です。

基本は大切ですし、技の名前を覚えたり、体を動かすことに慣れるにはピッタリです。

でも、ある時期から上達が止まります。

どういうことかというと、「形」だけを覚えても、実際に技が効くようにはならないからです。

技が効かないと、「おかしいな、もっと丁寧にやらなきゃ」「もっと速く動けばいいのか?」と、自分の動作を修正しようとします。

でも本当は、その技の中身を知らされていないだけです。

たとえば「崩し」が形だけになっていたり、「力の抜き方」や「軸の使い方」を使った技を受けたことがないなら、ただの型稽古の繰り返しです。

武道的な体使いをした、合気道の技は別格です。

手加減されなければ、生半可な受け身では、一撃で骨折・脱臼してしまうほどの威力を持ちます。

投げ技は後頭部から落とされます。

しかし型どおりに動けても、合気道の本質は会得できないので、しょせん形だけなので実戦や応用にはつながらない合気道家でとまってしまうのです。

年数だけが経って「型だけできて技が効かない人」になります。

「形の指導」までしかできない先生に師事した結果です。

実体験になりますが、型しか教えられない合気道の指導者に、非常に多いのが、武術的な体術を使って技をかけると、必ず言われるのが【力が強い】。

なぜか素直に技を受けろというのに、自分が技を受ける番になると抵抗する人がいます。

でもこちらが武術的な技を使うと抵抗できないので、指導者は技にかかってしまいます。

すると型しかできない指導者が出来ない、受けたこともない、技を食らうので、こちらの技の質を理解できないために、ただ力が強い乱暴な技だと勘違いされるのです。

此方の体格が一回りどころか二回りは軽く小さくても理解されないことが沢山あります。

質の低い指導者に合うと、成長を止められるので、最低でも身体操作を理解、会得している指導者に師事することをお勧めします。

身体操作を教えられる先生の価値

身体操作を教えられる先生の価値合気道をある程度続けていると、こう思う瞬間があります。

  • 技は覚えた。でも、なんか動きがギクシャクしてる
  • 先生の技は効くのに、自分のは全然かからない

こういうときに重要になるのが、身体の使い方=身体操作です。

この身体操作を会得している先生は非常に少ないです。

たとえば

  • どうやって抜き・螺旋・脱力するのか
  • 体軸を習得するコツ
  • 重心をどう移動させるのか

こういう体の内側の話は、形だけをなぞる稽古では一生気づけませんし、会得できません。

ただ同じような稽古をしているだけでは、絶対に越えられない壁があるのです。

私の経験では、それまでもなんとなくわかっていましたが所詮独学でした。

ある先生に出会ってから、「あ、こういうことだったのか」とはじめてわかりました。

会得されている先生に教えてもらって、身体操作を意識すると、技の精度がガラッと変わります。

この段階の先生に習うと、形稽古の中に「なるほど!」という発見がどんどん増えてきます。

ネットに出ている達人の技は本当だとか、体現してくれるからです。

いわば、上達の第2段階の扉を開けてくれる存在です。

ここを超えない限り、どれだけ年数を重ねても、技は効く風にしかなりません。

だから、身体操作を教えられる先生に出会えたら、合気道人生が変わることは間違いありません。

意識使いを導ける先生が本物

意識使いを導ける先生が本物合気道には、技や身体操作だけでは説明しきれない何かがあります。

言葉にしづらいけど、たとえば

  • まだ動いていないのに、相手が崩れていく
  • 触れてないのに、相手がバランスを失う
  • 構えただけで、相手が入ってこれない空気になる

こういう現象を初めて見たとき、「え?どうなってるんだ、これは?」と頭が混乱しました。

でも、そこにはちゃんと理合いがあるのです。

それが「意識の使い方」です。

意識使いというのは、気の操作とかそういうオカルトめいた話ではありません。・

相手との関係性にどう意識を向けているか、自分の意識をどこに置いているかという、きわめて現実的な技術です。

具体的には

  • 自分の起りを消す
  • 気配を消して懐に入る入り身
  • 意識を一点に集中させて重心を動かす
  • 空間ごと支配するような間合いの取り方をする

これらは、ただ言葉で説明されてもなかなか分からないことですが、実際にやってもらうと、その効果は実感できます。

意識使いを導ける先生は、説明も抽象的です。

でも、その先生の稽古を受けていると、不思議と「これだ」という瞬間が出てきます。

それが一度でもあると、技の世界ががらりと変わります。

この段階の先生は、ゆるく見ても50人に一人いるかいないか程度だと思います。

でも、もし出会えたら、それは、あなたの合気道人生にとって一生ものの出会いになるはずです。

少なくとも私はそうです。

自分の成長に必要な師とは?

ここまで、「先生の段階」について書いてきました。

・技や形だけを教える先生

・身体操作まで導ける先生

・意識使いまで導ける先生どの先生も、

もちろん真剣に合気道に取り組んでいることに変わりはありません。

でも、先生の実力によって、あなたの伸びる先も決まるのが現実です。

自分はどの先生についていけばいいのか?

これは、その人の「目的」によります。

たとえば

合気道を趣味や健康目的として楽しみたいなら、形稽古だけでも十分でしょう。

でも、もっと深く上達したい、強くなりたい、体の使い方を極めたいと思うなら、やはり身体操作を教えられる先生が必須になります。

さらに、「合気とは何か」を探究したいなら、意識の世界まで導いてくれる先生の教えが必要です。

結局のところ、自分がどこを目指すかによって、必要な師も変わります。

そしてもう一つ大事なのは、「今通っている道場の自分の先生はどこまで教えられる人なのか?」を一度冷静に見てみることです。

それは決して先生を否定することではなく、自分の成長を止めないための選択です。

もし今の稽古に違和感や限界を感じているなら、次の段階に進む合図でしょう。

応援しています!!!

いえ、応援よろしくお願いします。

ほんとお願いします。汗