合気道や武道でよく耳にする、半身について自分の理解の範疇で言葉にさせていただきます。
体を斜めに構えるという基本
半身のひとつ目の意味としては、帯の結び目(腰の正面)が相手に対しておよそ45度の角度になるように立つということです。
右構えであれば右足が前に、左構えであれば左足が前に出る形になります。
そしてもう一つの意味は、体軸が右側にあるのか左側にあるのかということです。
※「体重が右足に乗っている」とか「重心を右に傾ける」といった話とは異なります。
構えは見た目、半身は状態
「構え」というのは、あくまで見た目の姿勢や型を示す言葉です。
それに対して「半身」というのは、体の状態や内面的な体軸を示す言葉です。
要は、「半身」とは体軸が体の片側にある状態のことを指します。
半身の状態と、半身ではな状態とさす言葉もあり、棒立ちと言います。
半身や憂き身を知らない頃に勘違いしていたこともありました。
ただ何の意識もせずに立つことを自然体と思っていましたが、棒立ちでした。
動きの中でも半身を維持する
半身は基本的に右足が前に出ると右半身、左足が前にでると左半身に変わります。
しかし意識や体内での操作になるので、右半身の時に、意識がすでに左半身に変わるのが理想です。
右足が前の状態で左足に入れ替わってから、左半身になるのではなく、左足が前足に入れ替わる前に、すでに左半身になっておくのです。
半身ができない方は、ぴんと来ない方がいるかもしれませんが、半身が使える方は分かるはずです。
相手が技をかけてきたり、自分も動くときに半身をやめてしまうわけではありません。
半身が消えた状態で動くと、軸がぶれたり、居ついたり、力んでしまう状態になるからです。
半身の状態を維持することで、技をかける、かけられるといった場面でも、ただの形で終わらずに、動きの中での軸を保つことができます。
動きの中では、右半身から左半身に切り替わることもありますし、逆に、右半身のまま前に進んだり、後ろに下がったり、転換、転体することもあります。
つまり、動きの中で常に「半身の状態」を保ち続けることが重要です。
その時々で半身が切り替わりながらも、半身の体軸を持った動き続けるのです。
それが「半身である」ということです。
半身が取れていると勝負は決まっている
半身の状態というのは、安定していて、力も出しやすい。
体がスムーズに動ける状態なので、当然、崩しもかかりやすく、技も決まりやすくなります。
逆に、半身が崩れてしまったり、そもそも半身というものを知らない人は、バランスも軸もありません。
重心も不安定で、バランスの悪い状態なので、簡単に崩されてしまうし、技もかけられやすくなります。
だから、もし体重差や体格が同じくらいの相手と立ち合ったとします。
片方がしっかり半身をとれていて、もう相手は見た目には構えていても、肝心の中の状態は棒立ちで居着いていたら隙だらけです。
つまり、立ち会った瞬間、触れる前から勝負はほとんどついていると言っても過言ではありません。
半身の会得方法
どうしたら、半身ができるようになるか、一番単純な方法をご紹介します。
正しく構えらえるようになると半身が分かってきます。
正しく構えるとは、重心、手の位置、足の位置、姿勢が整うと半身の状態になります。
つまりただ単に見た目だけか前の格好をしたのではなく、半身で構えた状態になります。
半身の状態を体にしみこませるか、コツがわかってしまえば構える必要なくなり、どんな姿勢でも半身になることができます。
合気道が劇的に変わるので、半身を会得することをお勧めします。
ちなみに私は、個人レッスンを10回ほど受けて、半身や抜きを教えて頂きました。
金額は万単位では全然足りないお金を払って教えて頂きました。
でも、お金を払って教えてもらってなかったら、今でも半身や脱力、抜きなどできてなかったと思うので、受けてよかったです。
半身だけではなく脱力、抜き、浮き身など、いろんな武道の言葉や概念を知ることができたからです。
でも、私のように安くはないお金を払って教えてもらうのはお勧めしないので、できる先生を見つけて、ぜひ半身を会得してほしいです。
合気道がもっと楽しく上手くなれますから。