合気道は一人で稽古をしないと上手くならないよ？

「じゃあ、そこまでして上手くなりたくないです」って言われたら、終わりなんですけどね；

合気道の稽古が上達につながらない理由

合気道を稽古していて、なかなか技が上達しないと感じたことはありませんか？

実はその原因のひとつに、「通常の稽古スタイル」が関係していることがあります。

ふつうの合気道の稽古は、相手に技をかけたら、すぐに受け身を取って、また立ち上がって、次の技の繰り返します。

私は、ただ受け身と技をこなすことに意識がいきがちになっていました。

その結果、思考が止まったまま、ただの“繰り返しの作業”になってしまう事が殆どでした。

二人で技を掛け合って、受け身を取ってという、いつもの稽古の中では、そんなふうにじっくり考えて立ち止まる余裕はまずありません。

そこで自分の動きや技の質を深めたり検証する時間も余裕ないので、技の質は上がってくれませんでした。

只技と受け身を繰り返す稽古は、全く上達しないとは言いませんが、合気道の技の質を上げるには、ただの形をなぞるだけでは身につかないからです。

だからこそ、「考える」「課題を洗い出す」という作業は、一人で落ち着いて行う、一人稽古の時間が必要だと気が付きました。

技の質を上げるには体と意識の変化が必要

合気道の技の形を覚えたあと、次に直面するのが「技の質をどう高めるか」という課題でした。

何もわからない初心のうちは、技の順番や動きを覚えるだけで精一杯でした。

でも、ある程度形ができてくると、「このままじゃ技として浅い」と感じる瞬間が出てきたのです。

そのときに必要なのは、「体の使い方」と「意識の持ち方」を向上させることでした。

形だけで終わらせず、本当に効く技にしていくには、自分自身の内側から変化していく必要がありました。

でも、道場でみんなと一緒に稽古している中で、そういった変化が、偶然起きるかというと難しいです。

稽古の流れの中で、一つひとつの動きを意識し直すことはやってるつもりで終わります。

もし、「技の質」を上げたいなら、自分の体の感覚や意識の使い方を変える時間を作る必要があったのです。

つまり一人稽古です。

課題の発見と試行錯誤は一人でしかできない

技を深めていこうと思ったとき、まず求められるのは自分の課題を見つけることでした。

つまり、「何がダメなのか」「どこをどう変えればいいのか」を自分の頭で深く考えました。

この考える時間が、上達には不可欠で実はすごく大事なことだとしったのは、抜きや、浮き身、螺旋、かまえ、重心、体軸など武道の基本的な意識や身体の使い方を学んだあとでした。

「崩しが甘かったのか」「姿勢が崩れていたのか」「間合いが近すぎたのか」など分析をして、どう修正すれば技が変わるかを試行錯誤する。

この考える作業は、数秒数分では足りません。

むしろ習い事でも勉強や仕事でも、そんな簡単に答えが見つかるものの方がかなり珍しいです。

むしろこの考える作業が稽古の根幹なのです。

一人稽古で整えたものを道場で検証する

だから必要なのは、

自分の体の使い方や意識の向け方を見直したり、肩の動きを確認したり、木刀を振って構えを整えてみたり、一人で自分の体や意識にじっくり向き合う稽古。

技をかけるときの重心の位置や、姿勢の安定感についても、自分で確かめながら「こういう状態がいいな」という感覚を形にしていく。

ここでいう“形にする”というのは、いつもの意識や身体の使い方をかえて、新しい感覚をものにするのです。

その状態を道場に持ち込んで、対人稽古の中で実際に使ってみる。

うまくいくかどうか、通用するかどうかをその場で検証する。

この繰り返しが、上達を加速させました。

うまくいかなかったところを軌道修正していく

一人稽古で整えた動きや意識を、道場での対人稽古で試してみると、いろんな反応があります。

「これは手応えがあったな」と思える動きもあれば、「全然通用しなかった…」と感じることもある。

でも、そのどちらも大切なフィードバックです。

うまくいったところは自信にしていいし、うまくいかなかった部分は、また一人稽古に持ち帰って調整すればいい。

この「試す → 振り返る →修正する」というプロセスが、合気道の本質的な上達につながる部分なんです。

ただ型を繰り返すのではなく、自分で課題を見つけて、自分なりの答えを探しながら微調整していく。

その積み重ねが、最終的に“技”としての完成度を上げていきます。

合気道を本気で上達させたいなら、この地味だけど本質的な作業からは逃れられないと思います。

少なくとも、私は一人稽古をして、新しい発見を見つけた分だけ成長できることを見つけたら、一人稽古が楽しくなりました。

道場で兄弟弟子と稽古をするより、よっぽど上達するからです。

これは道場で稽古するのを否定するわけではなく、自分の技を向上させるのは一人稽古ということを理解したからです。

一人稽古をする時のコツ

いつもの癖、慣れ親しんだやり方をすべて捨てて、新しい感覚を発見することを心がけています。

なぜなら、今出来る事より一歩先のことをするなら、今できる感覚とは違う感覚を得なければならないからです。

今出来る事をすべて捨てて、取り組んだこともありました。

今出来る事を派生させて、上達できたこともありました。

共通しているのは、今出来る事にしがみつかない、慣れ親しんだ方法は捨てると、新しい発見が見えるのです。

いまは、相手をどう上手う崩すか、投げるかより、自分の意識体を上手く使う事を稽古しています。

そのけっか、崩しや投げが上手くなるからです。

合気道が上手くなりたいなら、崩しや投げにこだわらず、自分の意識や身体を向上させることをお勧めします。

すると合気道が勝手にうまくなっているからです。