合気道と書道の共通点|5段階で深まる稽古の道


合気についてはまだ分からない部分がかあるが、少しずつ見えてきたというか、出来ることが増えてきました。

結構長くやってるので、逆に見えてこなかったら悲しくなっちゃいます。

書道に合気道を重ねてみた

合気道を長年やっていて、ふと気づいたことがあります。

それは、書道と合気道は、上達していく“段階”の構造がとても似ているということです。

書道には、「楷書」「行書」「草書」「隷書」「篆書」といった段階があります。

そして実際の学習順序は、楷書→行書→草書の順で進めるのが基本だと言われています。

いきなり草書から入ってしまうと、「何をどう書いてるのか」が自分でも分からなくなりそうです。

基礎がなければ、崩し方も自由さも生まれないと思うと、合気道にもまったく同じことが言えます。

書道と合気道の「段階」の共通点

1 受け身や一教や小手返し、入り身などの技の形を覚える

楷書 右も左もわからずただ教えられたとおりに行おうとしている見よう見まねの合気道初心者の段階

2 技を覚えたら各自がどうしたら技が上手くかかるかを試行錯誤する

行書 合気道中級 小手先の手足の動きや、足の位置、重心などスポーツ的な体の使い方をすれば合気道が上手くなると思い込んで稽古している段階

3 合気というものに気が付けば合気がどのようにしたら出来るのか修練する

草書  稽古や、本や動画などから知識・経験などを深めて、合気の片りんに気が付き、脱力、体軸、抜き、浮き身、遠山の目付、沖縄空手のチンクチ・ガマク、中国拳法でいうところの寸勁、発勁等に気が付き、武道的な体の使い方に目覚める段階

4 合気が出来るようになると合気を極めようとする

隷書  抜きなどの身体の使い方で合気を行っていた段階から、身体の操作をせずとも意識を変えるだけで合気が使える段階

5 精神世界にはいる

篆書 宇宙や愛といった武術ではなく武道・精神性の段階

合気道にも習得の順番がある

合気道も最初は、一教や小手返し、入り身などの「技の形」を覚えるところから入ります。

これは、まさに書道でいうところの楷書にあたる段階です。

右も左もわからない中、言われた通りに、順番通りに動いていく、最初はそれでいいし、むしろそれが必要なステップです。

でも、合気道はそこで終わりではない。

実際、こんなふうに感じたことはありませんか?

  • ちゃんと形通りにやっているのに、技がかからない
  • 動きがどこかぎこちなくて、自分でもしっくりこない
  • 教わったとおりの手順なのに、相手が崩れない

自分では「できてるつもり」でも、どこか違う。

その違和感の正体は、多くの場合、「次の段階」に進めていないことにあります。

形を覚えた先には、身体の使い方を学ぶ段階があり、さらにその先には、意識の使い方を稽古する段階があります。

合気道も、書道と同じように技 → 身体 → 意識 → 精神性という段階を経て、少しずつ深く、立体的に成長していく構造になっているのです。

順番を飛ばすと、必ずどこかで壁にぶつかる。

逆に言えば、順序よく積み上げていけば、合気道は確実に深まっていく。

それが、自分が稽古を通じて感じてきたことです。

体の使い方に気づいて、合気道が変わった瞬間

自分は良い先生に出会って、抜きという体の使い方を知ることが出来るようになりました。

そしてまだ全てではありませんが、だんだん体現できるようになってきました。

たとえば20キロも体格さがある人に力負けしなかったり、上手く崩せるようになったりと。

胸や肩など体の部分を意識的に変化させて、相手を無力化させることで相手を崩すことが出来ると合気道は楽しくなりました。

この段階に来るとスポーツ的な体の使い方、瞬発力や筋力をメインとした体の使い方をしているのが、非効率だと理解できて、自然とやらなくなりました。

武道の本質は体の使い方にあった

実は合気道に限らず昔からある武術、空手、中国拳法、柔道、柔術、剣術など武芸十八般において実は体の使い方ありきで、技が成り立っていたのだと、ほかの武術を知った時に知りました。

だから昔の技でかかるわけがない技や、現代に通じない技が出てきてしまうという事も理解できました。

本当は武術的な体の使い方や意識の使い方が出来た上で使われる技を、身体や意識を上手く使えない方がやろうとすると矛盾が起こり、技が成立しないということです。

そして合気道を稽古しているもののほとんどが2の段階で止まってしまっています。

何十年稽古しても形だけ、小手先の動きに固執して3の段階に行けずに、合気道を終えていく人たち。

3の段階にいける人は50人に1人もいないでしょう。

2から3の段階に移行できる人が、合気習得に近づくのではないでしょうか。

合気道には実際やらせも沢山あるが、本物もいる。

いつかは合気を自由自在にできるようになって、合気道が好きな方たちにシェアしたと思います。

みんなが不思議な技が出来たら切磋琢磨して、もっとみんなで上手くなれるそんな環境を夢見て稽古しています。